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天平の美少年「阿修羅」に会いに行きませんか?

国宝「阿修羅」展が、上野・東京国立博物館 平成館で6月7日まで開催しています。

開館時間は、午前9時30分~午後6時まで。但し、金曜・土曜・日曜日は午後8時まで。

入館は閉館の30分前まで。休館日は月曜日。

とここまでは、通常のご案内ですが、これから書いてあることを知って、阿修羅展を観に行くといいかもしれません。

まず、阿修羅は、八部衆という仲間の一人です。

釈迦の眷属(釈迦が大きい神格とすると小さい神格です)として、八神がいて、その内の一人です。

八部衆全てが国宝で、阿修羅が一番有名ですが、他の七神もそれぞれ魅力的です。

人でもなく神でもない彼らは、非常に切ない感じかします。

脱乾漆像という造りをしていて、非常に軽いほか、繊細な表現ができるため、阿修羅でいえば、ひそめた眉や緩やかな衣の感じがまさにリアルです。

阿修羅達が通常いる処は、奈良・興福寺というお寺で、1,300年前に創建されました。

非常に力のあるお寺でしたので、幾度も火災や戦火に焼かれながらも、その都度復興してきました。

阿修羅達と同じく国宝の十大弟子(釈迦の主たる十人の弟子を表した像)は、火に焼かれる度に、持ち出され、大切に保護されてきました。それだけ、これらの像に対するリスペクトが連綿と続いてきたということだと思います。

さて、「阿修羅」です。「阿修羅」は、”闘い”を宿命づけられた神です。しかも、勝つことのない闘いです。皆さんは四天王をご存じですね。仏を守護する強い神様です。四天王の一人、帝釈天に阿修羅は負けては闘い、闘っては負けます。永遠に…。

そういう宿命ですので、普通に表現されている「阿修羅」は、憤怒の形相をしています。

ところが、興福寺の阿修羅は、深い悲しみをたたえて、必死に何かを堪えている表情に見えませんか?こういうエピソードがあります。

ある日、阿修羅はまた闘いを挑もうと思って、釈迦が説法をしている処に行きました。最初は、隙を狙っていたのですが、いつのまにか釈迦の説法に聞き入ってしまい、我が身を振り返ったということです。深く自身を見つめた時の表情ではないかと言われています。でも、闘うことが宿命である以上、闘いから逃れることはできない。その深い悲しみが伝わってきます。

八部衆全てが、若い表情をしています。そう、年の頃でいうと十台半ばです。

製作はしたのは、当時のことですから、唐から渡ってきた仏師達ですが、実は、非常に日本人的な顔の作りになっているそうです。天平の美少年は、そういう顔をしていたんですね。

阿修羅展のご招待券をご用意してありますので、ご希望の方は、info@csra.fmにご応募ください。

当選は発送をもってかえさせて頂きますので、ご了承ください。