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カポディモンテ美術館展・イタリア/ナポリ美術の基準となる名品の数々
2010年9月9日
イタリア・ナポリを見下ろす丘の上に建つ「カポディモンテ美術館」です。カポディモンテとはイタリア語で「山の上」の意味。このイタリア有数の美術館は、1738年にブルボン家のカルロ7世(のちのスペイン王カルロス3世)によって、建築が開始された宮殿でした。
カポディモンテ美術館外観
カポディモンテ宮殿はブルボン家が約100年をかけて建設しましたが、歴史をひも解くと非常に複雑です。前進には、ファルネーゼ家という存在がありました。 ファルネーゼ家はもともと弱小貴族の家柄でしたが、一族から教皇パウルス3世ガ輩出したことにより、パルマ・ビアチェンツァ公国の君主にもなりました。この時代に収集されたのが、イタリアのルネサンス・バロック美術です。
ただ、ファルネーゼ直系の子孫が途絶え、パルマ・ビアチェンツァ公国はブルボン家の手に渡りました。その後、スペイン王子でもあるパロマ公カルロは、ナポリに入城してナポリ王カルロ7世として、即位します。こうして、パルマの美術品すべてがナポリへ移されました。
ブルボン家は、ナポリ・バロック美術の作品を収集しました。
東京・上野 国立西洋美術館で9月26日(日)まで開催されている
「ナポリ・宮廷と美 カポディモンテ美術館展」
この約80点のイタリア美術の名品の数々は、ファルネーゼ家とブルボン家がどのような審美眼で美術品を収集し、宮殿を飾ったか、あるいはイタリアの大美術館がどのようにして出来上がったかも垣間見ることのできる構成となっています。さらに、20世紀に入ってコレクションされた作品を加え、イタリアやナポリの美術の基準がわかる作品群です。
ティチィアーノ・ヴェチェッリオ《マグダラのマリア》カポディモンテ美術館
伝承によれば、ダグラマのマリアはもと娼婦でしたが、悔い改めてキリストに従いました。キリストが復活した際に、最初に目にしたのは彼女でした。この絵は、バロック美術の巨匠ティチアーノによって彼女が悔悛する瞬間が見事にあらわされています。
パルミジャニーノ《貴婦人の肖像<アンテナ>》カポディモンテ美術館
パルマ・ビアチェンツァ公国の君主であるファルネーゼ家ではパルマの画家の作品は特に収集されました。パルミジャーノは、まさにパルマ出身の画家です。この絵は、パルミジャーニの代表作でもあり、16世紀の女性表現の代表する作例として知られています。
日本で単独でカポディモンテ美術館が紹介されることは初めてです。ナポリが誇るカポディモンテ美術館のコレクション必見です!
Life is Artでは、ご招待券を10組20名様にご用意をしております。
cwl@fm767.com まで、お名前、ご住所、お電話番号をお書きの上、ご応募ください。
尚、当選は発送をもってかえさせていただきますので、ご了承ください。
暑かった今年の夏。気持ちも少し夏バテのあなた、きっと癒されることでしょう。
Life is Art 伊藤恵