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800年守り続けてきた御文庫の扉が今開く 冷泉家 王朝の和歌守展

京都御所にほど近い場所に居を構える冷泉家。その祖は、藤原俊成、定家、為家父子であり、「歌の家」として尊崇を集めています。

和歌~やまとうた~は日本の文芸の首座を占め続けています。なかでも、天皇や院の命で編まれる勅撰和歌集は宮廷文化の華であり、その撰者になることは、歌人にとってこのうえない名誉でした。

冷泉家は、勅撰撰者となった俊成、定家、為家ほか、歴代が宮廷や武家の歌道師範をつとめた家柄で、御文庫には800年の伝統のなかで集積されてきた勅撰集、歌集、歌学書、古記録などが収められています。それらの書物は「冷泉家時雨亭叢書」として刊行され、このほど全84巻の叢書が完結したのを機に、御文庫の扉が開くことになりました。

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重要文化財 筆者未詳 鎌倉時代中期 冷泉家時雨亭文庫蔵

 

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国宝 藤原定家自筆 鎌倉時代前期 冷泉家時雨亭文庫蔵

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国宝 古来風躰抄 藤原俊成自筆 建久8年(1197)冷泉家時雨文庫蔵

俊成、定家等古文の授業や日本史のなかに登場した人物が、書を通して生き生きとよみがえり、息遣いが聞こえてきます。文字のもつ力、筆の放つ光のようなものを十分に感じられる展示会が、12月20日まで、東京上野にあります東京都美術館で開催されています。紙をベースとする書物の展示は非常に難しいため、これだけの展示が行われることは滅多にないことと思います。ぜひ、この書がおりなす雅な世界をのぞかれてはいかがでしょうか。